模試の活用法:準備は必須

勉強している学生

成績が伸びない原因は分析がおかしいのかも

歯科医師国家試験の受験生を対象にした学習相談数は日本で一番の実績があると自負していますが、数多くの受験生をみているとやはり「成績が伸びない人にはそれなりの理由がある」ことを実感しています。


模擬試験が終わって、結果を見ながら学習相談。まずは本人の分析を聞きます。「今回、ちょっと伸びが少なかったね。この原因はなんだと思う?」

この質問に対して

「A問題で難しいものが多くて、ペースが乱れてしまいました」

「選択肢を最後の2つまでしぼれたんですけど、最終的に全部はずれの方を選んでしまいました」

「迷った問題で、最後の見直しのときに答えを変えたら、ことごとくはずれてしまいました」

こういった返答をしたら要注意です!!これらの返答に共通する危うさ、わかりますか?すべて「原因は試験中の行動にあると思っている」んです。

例えば「あと5kgやせたいなー」って思ったとしましょう。やせるために食事を減らしたり、運動したり、その後に成果をみるために体重計に乗りますよね。
模試=体重計に乗ること
何も準備せずに体重計に乗っても仕方ないんです。

試験中に実力を十二分に発揮するための方法はたしかにあります。でもそれはきちんと実力がついてからの話。まずはしっかりと準備して、実力をつけなければダメなのです。
受験生が超忙しいことはわかります。でも準備ゼロで模試を受けても、「順位、上がらなかった」「バランスわるかった」→「そりゃそうだよね」って話です。模試ごとに小さな目標でも良いので、達成すべきことを決めて、きちんと準備をしましょう。

PDCAサイクルをしっかり回しましょう

PDCAとは

P:Plan(計画)

D:Do(実行)

C:Check(評価)

A:Action(改善)

この4つの段階で、これを繰り返すことで品質や生産性を高めるものです。模擬試験は3番めの「Check」にあたり、チェックするためにはその前提として「計画」を立て、「実行」することが必要です。


例えば、補綴が全然できない(偏差値35)ので、これを国家試験まで(残り3か月)にせめて平均(偏差値50)まで持っていきたいとしましょう。補綴の偏差値を15上げるためには、週あたり何時間勉強時間を確保すれば間に合いますか?

答えられないですよね。

個人によって、また科目によって、勉強の進行スピードはバラバラですから、わからなくて当然です。

だったら、やってみて計測する以外に方法はありません。

1ヶ月後に模試がある

→Plan(計画)とDo(実行):補綴を週6時間勉強する

→Check(評価):模試の成績表をみると、前回よりも偏差値3伸びた。同じペースだと残り2か月でプラス6ポイントで間に合わない。12ポイント上げるためには倍の勉強時間が必要。

→Action(改善):補綴を週12時間勉強する

こんな感じです。ここまできっちり計算しなくても、今のペースで良いのか判断することは可能ですし、時間の計画だけでなく使用する教材や勉強時間の使い方を評価することもできます。

準備はもちろんのこと、目標設定もしっかりと

模試前に準備をすることで、その後の分析と改善はよりより良いものへと進化していきます。また、目標設定を明確にしておくことで、たとえ達成できなかったとしても次にすべきことの大きなヒントになります。できればふんわりとイメージするのではなく、きちんとメモなどに書き出しておきましょう。
国試対策は時間との勝負ですから、漫然と勉強するのは禁物です。

目標設定の方法についてはこちらも参考にしてください


それと、こういった計画や分析をしていくことで、小さな達成感を得るタイミングって増えるんです。(無理すぎる目標だと難しいですが、、、)受験期って、何度も何度も心が折れそうになるじゃないですか。最終的に歯科医師免許というとても大きなリターンになるとはいえ、そこまでリターンがゼロだとやっぱりやっていけないですよね。小さくても良いので、自分を褒めてあげるチャンスは自分でどんどん作ってくださいね。