ゼロ模試に向けて:3か月の戦略

全国規模の実力をはかるスタートは5月のゼロ模試。歯科医師国家試験に確実に合格するなら、スタート時から一歩前に出る必要があります。

まずはここで上位1/3を目指しましょう。現在の進捗度は人により大きく異ると思いますが、少なくとも平均以上はほしいところ。期限と目標が明確をすることで、どんどんパワーアップしちゃいましょう!

さて、そのために何をすべきか。これはもう過去問以外にはありません。この機会に「ゼロ模試までの3か月」の学習スケジュールを立てておきましょう。

基本的な戦略は

過去問学習のスケジュールを立てるための記事を2つ追加しました。まずはここからご確認ください。(狙いがわからないと攻略法の効果は半減しますので、必ずお目通しください🙏)

具体的には

残り3か月で過去問一周目を確実に終わらせましょう。

中途半端に手を付けている科目もあるかもしれませんが、せっかくなのでこの期間に通しでやってみてください。

ノルマ:分量のチェック

さて、上記の記事をベースに具体的なスケジュールを組み立てましょう。まずはそれぞれの科目の分量から確認。ここでは「実践2022」をベースにしますね。

順序各巻ページ数必要日数スケジュール
1 基礎系1.基礎上420
2.基礎下420
2 攻めの科目3.衛生690
10.小児歯科学490
11.歯科矯正学530
12.口腔外科学 上350
13.口腔外科学 中380
14.口腔外科学 下490
15.歯科放射線学320
3.守りの科目4.保存修復学250
5.歯内療法学230
6.歯周病学350
7.全部床義歯学240
8.部分床義歯学260
9.冠橋義歯学350
4.必修0.必修560

合計6,330ページ。90日で割ると一日70ページです。

人によってはすでに終わらせている巻もあるでしょうが、一応ここではゼロから始める前提でいきますね。

なかなかハードですよね。でも「まぁゼロ模試に間に合わなくても、、、」なんて弱気になるのは禁物。ひとつハードルをずらせば、それだけゴールは遠のきます。気合い入れていきましょう!

ノルマ:必要日数の確認

一日70ページと仮定して、それぞれの巻で必要な日数を入れます。科目によって、どうしても時間がかかるものもあるので、そこは最終的なスケジュールで調整しますね。

順序各巻ページ数必要日数スケジュール
1 基礎系1.基礎上4206日
2.基礎下4206日
2 攻めの科目3.衛生69010日
10.小児歯科学4907日
11.歯科矯正学5308日
12.口腔外科学 上3505日
13.口腔外科学 中3805日
14.口腔外科学 下4907日
15.歯科放射線学3205日
3.守りの科目4.保存修復学2504日
5.歯内療法学2303日
6.歯周病学3505日
7.全部床義歯学2403日
8.部分床義歯学2604日
9.冠橋義歯学3505日
4.必修0.必修5608日

ノルマ:最終調整

さて、最終的なスケジュール調整に入ります。

まずは基礎系科目。やり始めるとキリが無いので、ここは上下巻あわせて10日で。調べ物などは「これは歯学部学生なら誰でも知ってないとまずいでしょ!」ってポイント(たとえば三叉神経など)にしぼって、臨床系科目と並行して仕上げていくことを前提にしましょう。

攻めの科目ですが、衛生は何しろ情報が多いので、できる限り一周目から情報をまとめていくことをオススメします。ベースとなる参考書にマーカーを引いていってもいいですし、スマホでポイントを撮影してアルバムを作っておくのも良い方法。短時間で情報をまとめる方法を選択しましょう。その手間があるので12日とします。

衛生以外の小児・矯正・外科・放射は一般的には得意とする受験生が多い科目。ですので、ここではやや短めの日数としました。

さて、守りの科目ですが、保存系および補綴系は歯科医師のキホンゆえに難しい問題も多く、マスターするには時間が必要です。一方で、ページ数からもわかるように、攻めの科目に比べると出題数は多くありません。ですので、ここではあえて必要日数よりも少し短めに設定しました。最終的には仕上げなければいけない科目たちですが、一周目においては攻めの科目を優先したほうが効率的に総合得点を上げられます。

最後に必修。平易な問題が多いこと、ここで出題されることはすでに他の科目の各巻で学習していることから、短めの設定にしました。上記の記事でご説明したようにセルフ模試として使用し、各科目にフィードバックする時間も含めて5日です。

順序各巻ページ数必要日数スケジュール
1 基礎系1.基礎上4206日10日
2.基礎下4206日
2 攻めの科目3.衛生69010日12日
10.小児歯科学4907日7日
11.歯科矯正学5308日7日
12.口腔外科学 上3505日14日
13.口腔外科学 中3805日
14.口腔外科学 下4907日
15.歯科放射線学3205日5日
3.守りの科目4.保存修復学2504日10日
5.歯内療法学2303日
6.歯周病学3505日
7.全部床義歯学2403日10日
8.部分床義歯学2604日
9.冠橋義歯学3505日
4.必修0.必修5608日5日

さて、上記のスケジュールですが、合計すると80日。週に1日程度お休みする分の10日間を残してあります。皆さんそれぞれ各科目の習熟度は違うと思いますので、自分にあわせて自由に調整してくださいね。ただし「基礎や守りの科目にめちゃめちゃ時間をかける」のは避けましょう。少しでも時間の余裕があるなら、できるだけ攻めの科目に回すのが現段階では一番のおすすめです。

最善の道は必ずある

ここまでご覧いただき

「むりむりむり!絶対にこんなペースではできない!!」と思った人も多いでしょう。

また「無理やり進めても、ページ数をこなすだけでは意味ないんじゃないかな?」と感じた人もいるかもしれません。

それは確かにそうなのです。ただただ過去問を回すことだけに集中してしまったら、実力は伸びません。

一方で、歯科医師国家試験対策においては「間に合わなければ意味はない」というシビアなルールがあります。国試当日までにしっかりと間に合わせなければ、全てはムダになります。そして、一年後に間に合わせるためには、1か月の、1週間の、さらに1日の締め切りをきちんと意識することが何よりも大切です。
間に合わない人はいつだって間に合わないのです。

ここから一年は「日々ノルマに追われる日々」になることを覚悟してください。

現段階においても、すでにゼロ模試までの期限は刻一刻と迫ってきます。

そしてゼロ模試の段階で「過去のデータを考えると、この成績では数年かかる」と判定されることさえあります。もちろん、そこから巻き返せるかは一人ひとりの努力次第ですが、対策のスタート時からそんな重い十字架を背負うのは誰だっていやですよね。

まずは大きな第一歩

現在の段階で

「思ったよりも急がないとまずいんだな」

と思ってくれただけで、ものすごく大きな第一歩。

さらに、何となく焦ったり、不安になるのではなく

・具体的な期限を意識して

・過去問題集の分量からノルマの量を把握して

・そこから自分の日々の勉強時間や勉強方法まで考える

ことができたら現段階においては完璧です。

すでに皆さんは他の受験生よりも大きく前にでてることに自信をもってくださいね。

自分にとって最善の道を探しましょう

困ったときには「課題の細分化」!ここでは「時間」と「方法」にわけてみましょう。

勉強時間はどのくらい必要?

上記スケジュールでは予備日をとっていますので、1日約80ページ進める計算となります。つまり、1週間のノルマは560ページ。

大学所属の場合

・平日(講義がある日):6〜8時間

・休日(講義がない日):8〜10時間

最近はオンライン講義なども多いため、通学にかかる時間は減少していると思います。1日の講義量も異なると思いますが、おおよそ6〜8時間を目安としてください。

休日ですが「1週間のノルマをきちんと進めているなら」、土日のどちらかは完全フリーで構いません。一般的にはずっとダラダラと勉強するよりも、集中する時間とリラックスする時間をきちんと作ってメリハリをつけた方が学習効果は上がります。
土日のどちらかは勉強に集中。8〜10時間を目安とします。

平日6時間、休日の1日を8時間と仮定すると週38時間。1時間あたり15ページくらいのスピードで進めていくことになります。

現役生の場合、既卒生に比べて「過去の国試勉強」が不足している分、結果の不安定さが一般的にはあります。一方で、現役生の強みは勢い。無理しすぎて睡眠時間を極端に減らすようなことは避けていただきたいのですが、可能であれば日々の勉強時間は多めにとりましょう。

予備校所属の場合

それぞれの予備校によって、年間のカリキュラムは異なりますが、「講義や演習問題の進め方」、「過去問の進め方」は必ずそれぞれのカリキュラムの戦略があり、それぞれが最大限の効果を発揮するように連携されています。(そういう戦略がない予備校は選ばないようにね!)それを最初に確認して、そのままやっていくのが一番。すでに過去の受講生で効果は確認されていますので、安心して乗っかってください。

場合によっては、まずは講義で土台を作り、過去問は後からということもあります。これはすでに過去問を何周かしている既卒生にとって合理的な戦略ですので問題ありません。過去問よりも講義の復習に自習時間をあててください。

ただ上記で説明したことは、歯科国試対策におけるバランスを取る上でとても大切なことなので、ぜひ頭の片隅に置いといてくださいね。

宅浪の場合

現役生と同様に週1日は完全フリーで構いません。

その他の日の目安は1日8〜10時間。週48時間として、1時間あたり12ページくらいのスピードです。すでに過去問には何度か取り組んでいるはずですので、解く時間は短めにして、理解が不足している部分について調べたり、忘れかけていることをもう一度覚えることに時間をかけましょう

また自宅浪人する場合には、必ず全科目の教科書を揃えてください。独りよがりの勉強にならないために絶対に必要です。特に国立の学生さんは教科書を持っていないことが多いので注意してくださいね。

既卒生全般

既卒生の強みは「すでに一通り国試勉強をすませていること」。それをベースに自分の弱点を補強していけば確実な合格を目指せます。極端に長い勉強時間はいりません。日々着実に、きちんと継続して、ゴールまでの一歩を進めてください。現役時代のように深夜まで勉強するよりも、きちんと1日のリミットを区切り、その中で最大限の効果をあげるための勉強法をまずは探しましょう

効果をあげつつ時短するには

1時間のタイムリミットが決まってくると、必要な工夫も少しずつ見えてきます。

手書きのまとめノートをやめてスマホ写真でポイント管理。

ダラダラと調べ物をせず、タイムリミットを決めて、それを越えたらまとめて講師に質問。

守りの科目や基礎系科目などは直近5年の問題にしぼる。(科目には絶対に格差をつける!)

正答率が高い問題には多めに時間をかけ、正答率が低い問題はざっくり。

などなど、時間あたりの効率を高める方法はいろいろありますよね。皆さんもすでに定期試験前日などで、いろいろとやってきたはずです。

今の時期は「時間あたりのパフォーマンスをあげるための方法をいろいろ試す」ことも大切。自分にとって効率的な勉強法ができあがってくると、後半戦怖いもの無しです。

前半戦は迷っていい

もしも自分でうまく計画をたてる自信がなければ、上記の基本スケジュールにそのまま乗っかっちゃってください。ほとんどのケースではそれで問題ないはずです。

自分でいろいろアレンジする場合、迷うことも多いかもしれませんが、基本スケジュールの元となる「考え方」が大きくぶれなければ大丈夫です。秋からの模試シーズンがはじまったら、迷ったり試行錯誤する余裕なんてありません。いろいろ試すなら今のうち。どんどんチャレンジしてくださいね。

迷いながらでも進んでいけば、確実に理想のゴールにたどり着きます。

まずは最初のゴール、ゼロ模試までのルートマップを作り、スタートしましょう!