直前情報はいらない

国試が近くなると、いろんな情報が回ってきます。

「万が一、出題されたらどうしよう」

「自分だけ知らなくて損するのは絶対いや!」

そんな気持ちから「とりあえず目を通しておかなくちゃ」って思う人も多いでしょう。

でも歯科医師国家試験に合格するために直前情報はいりません

いらないというよりも、マイナスに働いてしまうケースも多々あるので、どうか受験生の皆さんには直前情報を無視してほしいのです。

「あたった!」という直前情報は

まず、受験生の皆さんのアンテナにひっかかる直前情報は「マニアックなもの」です。

例えば「扁平上皮癌が出るらしいよ!」なんて情報、「でしょうね」って感じですよね。毎年出てるのだから当たり前。これが出題されても的中にはなりません。

つまり「え!これ知らない!!見ておかなくちゃ」と思う直前情報はどうしてもマニアックなものになってしまいます。

直前期は何しろ「皆ができる問題を落とさない」ために「定番の知識に少しの隙もないこと」を徹底するのが合格への最短ルートです。なのに、その真逆のマニアックなところに時間を使うのは絶対にムダ。すでに十分な合格圏内にあり、娯楽程度に直前情報を眺めるならともかくとして、そうで無いなら直前情報は無視しましょう。

不要な知識はノイズになる

私も歯科国試対策業界では古参の方なので、数多くの直前情報を見てきました。

でも「これを見ておくべきだったな」と思うようなケースはありません。

一つも当たらないのか?というと、実はそうでもありません。数百に一つ、出題されるケースもあります。ただ、それは本当に偶然。そもそも皆ができないようなマニアックな問題はできなくても良いのです。

「でも、出る可能性が少しでもあるなら見ておきたい」

そう思う気持ちもわかります。でも、その一問を取るためには、他の数百というマニアック情報も頭にいれなければなりません。これが本番で思わぬノイズになる場合があります。

素直に解けば正解できたはずなのに、直前情報を思い出して考えすぎてしまったり、全く見当外れの選択肢を選んでしまったり。

総合的に考えると、損が大きすぎるのです。

明らかに有害な直前情報も

現在の合格基準はほぼ相対評価。

誰かの足をひっぱれば、自分はその分上にいけます。

直前情報の中には「え、これ明らかに間違ってるよね」というものもあります。それが意図的なものかどうかはわかりませんが、出どころがはっきりしない情報には特に注意してください。

時代的にも裏情報は存在しない

私が国試を受験した20年前は問題漏えいなど、まだまだ問題になっていました。ただ、その頃でさえ、直前期に回ってきた情報のほとんどはガセだったり、内容に誤りのあるものでした。歯科国試予備校に勤務してからも、受講生から寄せられた直前情報を毎回国試後に検証していましたが、その結果として「不要なもの」という結論にいたりました。(直前情報を無視した方が合格可能性が高くなることを多くの受験生が証明してくれたので、今はチェック自体、積極的にはしていません)

今、このコンプライアンスが強く求められる時代に裏情報なんて存在しません。数は少ないものの合格すべき人が不合格になったり、その逆もあるので、完璧とはいいませんが、歯科医師国家試験は年々よくなっており、昔に比べたら公平性はきちんと担保されています。

「受かりたい」

その願いを叶えるためにも、直前情報にはふりまわされないようにしましょう。