過去問学習:科目の順序

過去問学習の計画では、効率的に成果を上げるための順序も意識しましょう。ポイントは「早期に得点をあげること」と「セルフ模試」です。

さっさとボーダーを超える

攻めの科目を最優先で

歯科医師国家試験対策ではすべての科目の学習が必要です。捨て科目はありません。

例えば基礎系科目。1科目ごとの出題数は少ないものの、臨床系科目を理解するベースになりますし、必修などでも問われるため、やらないわけにはいきません。

ただ、基礎系にあまりにも時間をかけてしまうと、出題数が多い「攻めの科目」の学習時間が不足してしまいます。

どうせ全部やらなければならないなら、早期に総合得点が高くなる方が気分良く進められますよね。気持ちの余裕も全然違うはずです。

基本方針は「まずは攻めの科目から」です。衛生、小児、矯正、外科(+放射臨実)から徹底攻略していきましょう。

例外がひとつ

基礎系科目にあまりに時間をかけるのは禁物。ただし基礎系科目の勉強法は「まずはざっくり。その後、臨床系科目を勉強するときにちょこちょこ戻る」です。

順序としては基礎系科目が最初。ただしざっくり一周して、早めに攻めの科目に入りましょう。

セルフ模試のために

勉強が進んでいくと、すでに理解したつもりのことが本当にわかっているか確認するステップが必要となります。そのためのツールが模擬試験ですが、それ以外にもセルフ模試ができるよう順序を考えておくと万全!他の受験生に大きく差をつけられます。

前回の国試学習はできれば後回しに

現在、ほとんどの受験生は過去問題集を5年生で購入しています。その上で、6年生になった段階で直近の回数別問題集を購入しますよね。

この直近の国試、可能であればセルフ模試として後回しにしてほしいのです。

直近の国試1回分はリアルに解く

構成上やむを得ないことですが、科目別の過去問題集って並びだけで答えがわかってしまうことありますよね。また1問ごとの習熟度はわかっても、科目全体の習熟度や他の科目とのバランスはわかりにくく、それぞれの問題集をどの程度やり込めば国試のボーダーを超えられるかわかりません。

ですので、もし可能であれば直近の1回分は科目別過去問集を最低1周、できれば2周まわした後に、きちんと時間をはかってリアルに解いてほしいのです。

理想的には8月中旬。そこで直近一回分を初見で解き、合格基準に対してどこを埋めるべきか確認。その対策をした上で9月の公開模試を受験できれば完璧です。

セルフ模試と言いましたが、本当に出題されたリアルな国家試験問題に勝る模擬試験はありません。ぜひ有効活用してくださいね。

早めにみなくて大丈夫!

直近の問題を早めに見ておきたい気持ちはわかります。ただ、頻出事項であっても2年連続で同じポイントが出題されることは非常にまれです。(同じ範囲の中で連続出題はありえますが)
ある意味では「前年に出題された内容は最も出題可能性が低い」のです。

直近の出題傾向を見ておきたいと思う人もいるでしょう。でもその辺りは必ず公開模試に反映されます。大手2社の全6回を受験していれば、特に意識しなくても自動的に勉強することになります。

とはいえできない場合もありますよね

この方法は絶対的にオススメなのですが、それができない事情もわかります。例えば大学の定期試験や卒業試験前哨戦で直近の過去問アレンジも出題される場合、8月になってからなんてのんきなことは言ってられないですよね。そんなケースではもちろん早めに手掛けてください。ただ、その場合でも「科目別問題集が一通り終わったら、回数別で国試のリアルな形を体験」するステップはどこかに盛り込んでくださいね。

必修もできれば後回しに

「え!もうやっちゃったよ!!」

って怒られそうですね。ごめんなさい。

これから1周目に入る方限定のアドバイスになってしまいますが、必修もできれば後回しの方が良いです。

科目別過去問題集のトップですし、簡単な問題からスタート!と最初に手をつけがちですが、これはとってももったいない!!できれば他の科目別過去問題集が完了してから必修問題に取り組んでください。

言うまでもなくセルフ模試として

他の科目別問題集とは違い、必修は回数ごとに問題が並んでいます。ぜひこれをセルフ模試として使いましょう。時間をきちんと測って(1問1分を制限に)、各回の問題をすべて解いてから答え合わせ。除外問題等も考慮した上で、自分の必修合格率がどの程度なのか確認しましょう。

必修の攻略法として

必修の過去問題集は科目別に問題が並んでいない。つまりはこれをベースにして体系的な学習をすることは困難です。

そこで問われていることをあれこれ調べても、バラバラの知識がインプットされるだけ。ですので、必修の過去問題集はインプットのためのツールではなく、自分がこれまで積み上げてきた成果を測るアウトプットのツールとして使うほうが最大限の威力を発揮します。

必修問題ではすべての科目が出題されます。そこで重要なのは「それぞれの科目で正答率が高い、つまり受験生にとってメジャーな項目を十分に勉強できているか」です。

まずは必修以外の科目別問題集を一通り勉強し、その上で必修問題に取り組めば、それぞれの科目で自分が力をいれていた部分が正しいのかチェックできます。もし「あれ?大切だと思ってすごい時間かけたけど、必修で一回もかすってないな」って感じだったら、必修をベースにして各科目を叩くことも可能になります。

必修対策って本当に難しいんです。自分のメジャーを全国のメジャーにすりあわせるには基本的に模擬試験を使うしかありません。でもできれば9月以前から対策しておきたいですよね。そのために、ぜひ「必修後回し」作戦を活用してください。

まとめ

というわけで、過去問題集一周目は次の順序がおすすめです。

1 基礎系科目

2 攻めの科目:衛生、小児、矯正、外科(+放射臨実)

3 守りの科目:保存3科、補綴、放射一般

4 必修

それぞれの段階の中の順序(例えば衛生と小児、どっちを先にやるかなど)はあまりこだわらなくて大丈夫。ただし一周目では全体像の把握がポイントになりますので、保存系や補綴は期間をまとめた方が良いでしょう。

ちょっとした工夫で成績は大きく変わります。学習計画に取り入れて、公開模試前からどんどん合格可能性をあげちゃいましょう!