当日の怖さを知る

歯科医師国家試験当日の雰囲気は独特です。一年に一度だけの試験。なおかつ大学受験などと違い併願などもありません。その雰囲気にのまれてしまい、実力が十分発揮できないことはごくごく一般的です。

緊張や不安をゼロにすることはできません。無理に押し込むよりも、「それが当然」と認めてしまった方が逆に開き直れます。

最も避けなければならないのは、そういった当日の精神状態を事前にまったく想定せずに、当日いきなりパニックに陥ってしまうこと。本番への気持ちを作るために過去の記事を2つご紹介します。すでにご覧いただいた方も多いかもしれませんが、今一度自分の気持をきちんと作るため、ご一読いただければ幸いです。

まずは多くの受験生がそんなパニックに陥ってしまった事例をご紹介します。

98回のような大混乱が生じた回はそれ以降ありませんが、似たような失敗の仕方は毎年あります。例えば必修が難しい年は、そこに時間をかけすぎてしまい、結果的に一般や臨実が不足してしまうケースが多発します。問題難易度が全体的に高い年には、精神的に追い込まれるあまりに、一般的な難易度レベルの問題でいつもだったら選ばないような解答を選んでしまったりします。今のうちから、気持ちをしっかりと作っておきましょう。

さてもう一つ、現在の歯科医師国家試験対策で超重要な「歯科医師国家試験の厳しさは問題難易度に関係がないこと」を覚えておいてください。

2つの記事、どちらにも共通するのは「試験中にうまく立ち回ろうとして何かしら分析をすることは結果的に自分の足を引っ張る」ということです。余計なことは考えず、1問1問に集中しましょう。また、この心構えができていれば、それだけで他の受験生より上に立てます。難しい問題が多かったら「あー、これは皆あせるだろうなぁ。チャンス!」ぐらいの図々しさで本番には臨みましょう。いつも以上のパフォーマンスを上げなくても、いつも通りがキープできれば十分です。

そもそも不安な気持ちは「リスクを避けるための戦略」です。それを持つことが悪いことではありません。ただ、根拠の無い不安は理屈が無い分、自分の中で際限なく増大します。正しく「歯科医師国家試験当日の怖さ」を知り、正しく気持ちの準備をしておきましょう。