114回歯科医師国家試験問題の難化について

あちこちから悲観的な声が聞こえてくるので少しだけ。

今回、受験生からは「かなり問題が難化した」という声があがっています。そのため「これは落としに来ているんじゃないか」と感じた人も多かったようです。

これまでがんばって勉強してきたからこそ、裏切られた気持ちになったり、大きく落胆していることでしょう。現役生の場合は、卒業試験に通るかどうかの緊張感がずっと続く一年でしたよね。既卒生の場合は、今年こそはという決意のもと、様々な思いを抱えながらがんばってきたことでしょう。そんなギリギリのところを必死に耐えてきた皆さんにとって、最後にこのストレスは確かに酷だと思います。

ただ、現時点であまり悲観的になる必要はありません。

こちらの記事でもお伝えしたように、歯科国試の厳しさ(合格率)は問題難易度とは関係がないのです。

そもそも、歯科医師国家試験の合格率を決めるのは厚生労働省。出題委員の先生ではありません。

仮に厚生労働省が「今年からさらに合格率を下げる」と決定したとしましょう。問題難易度を上げる必要なんてまったく無いんです。必修問題で除外を少なくして、ボーダーを数%高くすれば、それでいいんですから。

もちろん、今回の国試合格率が下がらない保証はどこにもありません。ただそれは合格発表の日まで誰にもわからないこと。そして、しつこいようですが、合格率が万が一下がったとしても問題難易度が上がったこととは関係がありません。

無責任に「大丈夫だよ」なんて言えませんが、少なくとも「問題が難しかったからもうダメだ」と落ち込む必要はありません。結果が気になって仕方ないと思いますが、まずは採点サービスの結果が出るのを待ちましょう。

「もっと問題がカンタンだったら、心置きなく発表日までの時間を楽しめたのに」と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。問題がカンタンな年は採点サービスの結果が出た後に、みんな平均の高さに驚き、ボーダーがどこまで上がるのか戦々恐々となるのが一般的です。

少しでも皆さんの気持ちが楽になると良いなと思います。これまでいっぱいがんばってきたのですから。もやもやしてしまうのは仕方ありませんが、落胆しすぎることなく、ぜひこれまで我慢してきた自分の好きなことで時間をうめてくださいね。