採点サービスの結果が出揃いましたね

難しい問題が多かったため、平均は例年より低下しましたが、正直この一年の新型コロナウイルスによる影響を考えると、もっと低くなってもおかしくなかったと思います。

たいへんな状況の中、受験生の皆さん、自分にできることを精一杯やってきたんだなと改めて感じました。本当にすごいことです。歯科国試には理不尽な側面が存在します。それにも負けず、前向きに取り組む受験生の方々に、私はこれまでたくさんの勇気をもらってきました。それに増して、今回のこの未曾有の状況。そんな中でこれだけの点数を出した受験生の皆さんを心から尊敬します。大変なことも数え切れないほどあったと思いますが、本当によくがんばりましたね。

残りひと月をどう過ごすか

それだけがんばってきたからこそ、良い結果がでることを祈るばかりです。ただ、採点サービスの結果をみても「結局どうなんだろう」とモヤモヤする人もいますよね。というより、今回は特にそういう受験生が大多数かと思います。すべての合格基準で平均を越えていれば、まずは一安心でしょうが、そんなにキレイに成績を揃えるのはなかなか難しいことです。凹みがある領域があれば、あとはボーダー次第となりますし、今回に関しては必修の除外問題数次第というケースも多いですよね。

極端に点数が低ければ、気持ちを切り替えて次に取り組むことも考えなくてはなりませんが、ここ最近は皆さんご存知の通り卒業試験もかなり厳しくなっていますので、それをクリアしている段階で極端に低い点数ということはあまりありません。

個々の結果については発表を待つしか無いため、モヤモヤはずっと残ると思いますが、先々のことを現段階で決定することは難しいので、結果が出たらどう動くかある程度検討したら、あとは自由を満喫するのも良いんじゃないかなって個人的には思います。モヤモヤは残るでしょうが、これからの人生において1か月フリーという機会はなかなか訪れないので、これまで溜まりに溜まった自分の中のストレスを全部吐き出すくらいの勢いで好きなことをしてすごしてみるのはありです。

万が一のためできることをしたい人は

「万が一の場合、この1か月に何も勉強しなかったことを悔やみたくない」

そういう人にお勧めなのが「臨床系のガイドラインをじっくり読む」ことです。大学受験と違って、歯科国試受験で勉強することは今後の人生でそのまま使うことです。勉強して損は一切ありません。特に各学会が出している臨床系のガイドラインはすべての基本となります。受験勉強の中では、必要な部分だけ拾い読みということも多かったでしょうから、改めて頭から最後までしっかりと読み込んでいくと、これまで得た知識も体系化されます。

▶ガイドライン:日本歯科保存学会

▶ガイドライン(指針):日本歯周病学会

▶ガイドライン等:日本補綴歯科学会

▶口腔インプラント治療指針:日本口腔インプラント学会

極端に点数が低かった人は

中には、当日思うように実力が発揮できず、いつもより点数が大幅に落ち込んでしまった人もいるでしょう。がんばってきたからこそ、そのショックは大きいでしょうし、そう簡単には回復できないものだと思います。

ただ、回復を待って再スタートを切るわけにはいかない場合もあります。回復に必要な時間も、個々の実力も個人差がありますので、ひとくくりには言えませんが、どこかで気持ちの区切りは必要です。

無責任なことは言えませんが、一つの目安として過去の合格最低点を参考にしてください。

105回 396点
106回 370点
107回 373点
108回 390点
109回 371点
110回 394点
111回 379点
112回 364点
113回 389点

各回で難易度により総合点の上下差はありますが、350点以下の場合は次のことを考えておいた方がよいでしょう。結果次第では無駄なことになるかもしれませんが、それはそれで「良い方向に予想がはずれた」ということでご容赦ください。