予備校生の自習時間2

自習時間が少し不足している場合、多すぎる場合の対処法について、前の記事ではお伝えしました。

今回はそれ以外のケースについてアドバイスさせてください。

自習をほとんどしていない場合

「そんな人いないんじゃない?」って思われるでしょうが、実際のところ珍しくありません。

予備校の講義って、たくさん勉強していると錯覚しがちです。朝から夕方まで一日、しっかりと講義を受けたら「あー!今日もよくがんばった!!」とそれなりの疲労感と達成感を感じることでしょう。

でも、ほとんどの予備校のタイムスケジュールでは「講義時間は1日4〜5時間」。途中でお昼休みや休憩時間が入るので「丸一日やった」気持ちになりがちですが、もし講義終了後に自習しなかったら「1日の勉強時間は4〜5時間」です。この勉強時間で合格できるはずがありません。

いくら効率的な学習をしても、最低限の勉強時間は必須です。どんな受験生でも1日合計8時間の勉強時間は絶対にとってください。それゆえ、1日講義を受けた日の自習時間は「3〜4時間」必要となります。

講義などの集団学習は、その後の「個人学習」のためにあります。自習をしなかったら、せっかく頑張って受講した講義そのものの学習効果さえ十分に発揮されません。これは本当にもったいないこと。時間をかけて講義を受けたのなら、そこから生じる利益は100%回収しておきましょう!

自宅で自習している場合

原因は多岐にわたると思いますが、データ的に見ると「自習場所が自宅」の受験生の合格率は圧倒的に悪いです。前回、現役生も含めてWEB面談を行った際にも順調に成績を伸ばしている方の全てが「自宅以外の場所」で勉強をしていました。

新型コロナの影響もまだまだ続いていますので、自習室や図書館の利用はなかなか難しい面もあるかもしれません。ただ「自宅で自習すること」のマイナス面は絶対に無視できないほど大きなものです。

なぜ自宅学習が学習効果にそれほどの影響を与えてしまうのか?私としては2つの要因が大きく影響していると感じています。

人の目があると良い緊張感が生まれる

自分では自宅でしっかり勉強しているつもりでも、やはり人の目がないとついつい集中力にかけ、時間当たりのパフォーマンスは下がるでしょう。これは誰でもそうだと思います。

かくいう私も、先日あるセミナーをWEB受講した際に、途中でスマホをいじり始めて、自分自身にびっくりしました。高いお金を払って、自分で興味を持って受けたセミナーでさえ、こんな気のゆるみが出るんだ。。。愕然としながら、スマホをおき、再度セミナーに集中しました。

周囲に人の目がない環境は、課題に集中したり、継続することの大きな妨げになります。だとしたら、あえてそんなハードルが高い環境を選ぶ必要はないですよね。

人の目がない状態で集中する→ハードルが高い
人の目がある環境を選択する→ハードルが低い

なら、わざわざ苦労せずに、低いハードルを選びましょう。

特定の環境のみの集中力は勝負に弱い

人の目があると集中できない。周りがガヤガヤしていると気が散る。

そういう理由から、自宅での勉強を選んでいる人もいると思います。
ただ、こういったケースでは「人の目」や「周囲の雑音」に耐性がないため、模試や本番で十分に集中することができません。限定された環境でしか発揮できない集中力というのはとても脆弱です。日々の環境選びは受験当日に最高のパフォーマンスを発揮するためのトレーニングでもありますから、早い時期から意識しておきましょう。

過去に指導した既卒生ですが、「絶対に自宅以外では勉強できない」と本人はかたくなに拒否していました。「そこをなんとか!お願い!試すだけ試して!!」と拝み倒して、自習場所をファミレスに変えたところ、それまで何年もかかっていたのに、その年の国試で無事合格することができました。「最初は本当にストレスで、嫌で嫌でたまらなかったけど、あそこで変えてよかった」と合格後の本人の言葉。「変えること・変わること」ってなかなかできることではないのに、しっかりと実行してくれたことに感謝しています。

自宅である程度の勉強時間をとっているのに、成績につながらない場合は、ぜひ環境を変えてください。慣れるまでひと月くらいはかかるでしょうが、その決断がきっと良い結果につながるはずです。

すべては「確実な合格」のため

1日の学習時間のうち、約半分が「自習」ということを考えたら、これの良し悪しが結果に大きな影響を与えることは自明でしょう。

自習する場所、そして時間、それぞれについて自分自身でしっかりと見直してみてくださいね。また時間(〆切)が決まれば、おのずと発揮すべきパフォーマンス、つまり勉強の質も明確になります。

最終的な合否はすべて今この時の積み重ね。確実な合格を目指し、すべてにおいてベストな戦略をとっていきましょう!