最終日の過ごし方

いよいよですね。

明日からの二日間は気力と体力の勝負。今日は無理せず、早めに休みましょう。

といっても

「日常の延長であえて緊張感を高めず第4回公開模試くらいの気持ちでいく」のもありなので、いつも通りのスケジュールで勉強を完了して寝るのもOK。

心残りを少なくしておくことも、明日以降の気持ちに大きく関わってくるので、ギリギリまで詰め込むのも良いと思います。ただ、少なくとも夜11時には寝る準備をはじめてください。

気持ちを切り替える

ここまでは不安を逆手にとって「ツメの甘さを残さず」勉強することをお勧めしてきました。これを「今日の勉強を終了したタイミング」で試験モードに切り替えましょう。できない問題があっても、それで即合否が決まるわけじゃない。自分ができない問題は皆きっとできない。基本問題さえ落とさなければ大丈夫。よい意味で開き直ってください。

失敗する受験生はこの逆のパターンなのが定番です。準備段階で楽観的な勉強をして、国試当日いきなり悲観的になる。それはどうか避けてくださいね。

人間だれしも完全に感情をコントロールすることは難しいですが、意識するかどうかは大きな差になります。明日からの2日間、皆さんは自分ひとりで戦わなくてはなりません。そんなときに自分に言い聞かせることができるのは自分だけ。わからない問題で焦ったら、どうか自分に「大丈夫だよ!」って声をかけてあげてください。

夜眠れないときには

あれもこれも見ておきたくて寝る時間ももったいない。その気持はよくわかりますが、2日間を乗り越えるために、最低でも11時には寝る準備をはじめましょう。

一般的に不眠の克服には「眠たくないときには無理してベッドに入らない」ことが有効とされていますが、これはあくまでも「長期的な改善を図るための方法」です。

眠たくなくても横になっているだけで体力は回復します。(このとき、スマホは厳禁!目に光をいれたらどんどん眠れなくなりますし、入眠に必要なのは「退屈」です)自分では「一睡もできなかった」と思っても、実はそれなりに寝ていたということも多いので、部屋を暗くして楽な姿勢でゆっくりと呼吸を整えましょう。

「何か起こる」は当たり前

何事もなく明日からの2日間が無事終わることを、受験生全員が願っているでしょう。

でもね、国試って思わぬことが起こるものなのです。

過去に「ものすごくしっかりしているタイプの受験生が受験票を忘れた」という事例もありました。普通に考えればありえない話ですが、やはりそのくらい緊張することもあるのです。(その受験生は試験監督への申請で無事受験できました)

私自身も国試の際には自分の受験番号をマークした直後に「あれ?この黒く塗ってあるところ数字がみえないけど本当に3かな???」とものすごく不安になり、一度消しゴムでマークを消して3という数字を確認するほど緊張していました。こちらも通常だったらありえない思考回路です。

国試当日はそういう状態が珍しくありません。

「想定外のことは起こるんだろうな」くらいの気持ちでいてください。

ネガティブな想像をするのとは違います。

起こるはずがないことが起こったときにパニックにならないために、あらかじめ「多分何か起こる。でも起こらなかったらラッキー」くらいな気持ちでいてほしいのです。

落ち着いてさえいれば、大抵のことはクリアできます。「わっ!」と思ったらまずは深呼吸。あわてずにいきましょう。

良い国試になりますように

皆さん、一人ひとり沢山の苦労があったことでしょう。それらを克服して、ここまでたどりつきました。

つい先日、元受講生達とオンライン飲み会をしましたが、「国試直前期や国試当日の思い出」で大盛りあがりしました。

「あのとき、ほんとボロボロだったよね。あんなにおしゃれなのに1月はずっとノーメークだったもんね」

「今だから言えるけど、国試当日、朝から顔色がおかしかったよ。正直、ヤバいんじゃないかって思った」

元受講生同士がお互いをいじりあい、「もう、やめてよー!」なんて大笑いしている姿をみて、私は泣きそうなくらい幸せな気持ちになりました。こういう場面に遭遇するたびに、今がんばっている受験生の皆さんが重なります。皆さんの未来がこうなりますようにと願わずにはいられません。

どんなに辛い状況も、乗り越えてしまえば笑い話。

残るハードルは一つだけ。

これもしっかり越えていきましょう。

皆さん、一人ひとりにとって良い歯科医師国家試験になること、心から祈っています。