科目ごとの基地はひとつに

一年間かけて国試対策をしていくと、その資料は膨大なものになります。

講義資料、教科書、参考書、過去問題集、模試の解説書、その他いろいろにあれこれ書き込みをしていった結果、最後の仕上げ期である1月に大パニック!ただでさえ、国試が目の前に迫り、焦りや不安も大きくなるこの時期に、見直さなくてはいけない資料が山ほどあるのは悲劇です。

1月の自分を助けるために、早い段階で「最後に見直すものを作っていく」ことを心がけてください。

科目ごとに基地はひとつに決める

資料でも参考書でも構いません。ひとつの科目ごとに「書き込みやマーキングを集約させる教材」を決めて、あらゆることをそこにまとめていきましょう。

もともとのレイアウトで余白が多いものが理想的ですが、それが難しい場合には大型の付箋などを併用するのもおすすめです。その一冊をみれば、これまで自分が模試で落としたポイントや理解を補った部分、プラスアルファの知識がわかるよう、どんどん書き込みを行っていってください。

どの教材を基地とするかは、自分の好みで構いません。一般的な国試対策教材であれば、そこに書いてあることはほぼ同じです。(逆に大きく違っていたらヤバいです)

ポイントは作業量を減らすため「一般的な知識が最初からまぁまぁ記載されていること」。文字を書く手間を減らし、マーキングや少量の書き込みで整理できるのが理想です。

まとめノートは極力さける

知識を整理するというと、すぐにまとめノートを作ろうとする人が多いのですが、一般論としてはおすすめしません。

その理由としては2つ。

まず「まとめている時間は単なる作業になりやすいこと」。作業は勉強ではありませんので、頭をあまり使わず、書き写しているだけでは、ムダな時間になってしまいます。ノートだけはきれいなんだけど、成績がなかなか上がらないという人はもしかしたらそのパターンにはまっているかもしれません。

次に「まとめている内容がずれているかもしれないこと」。誰にでも得意科目と苦手科目があると思いますが、得意科目って相性が良いから「ポイントをつかみやすい」のです。逆に苦手科目では「そもそも自分がピックアップしているポイントが全然大事なところじゃない」ということがほとんどです。さらに「ずれたまとめ」を作るってことは、「本当に大切なところ」が元の教材に置き去りにされ、下手すると忘れ去られるということになります。

そんな理由から

イチから自分で書くのではなく、すでにある情報量をベースに、自分の情報を追加していく

元の教材から情報をより抜くのではなく、元の情報もいつでも目にできるよう残しておく

ことをおすすめします。

書いて覚えるのはよいことじゃないの?

はい!良いことです!!もっと言えば、ポイントは目にするだけでなく、書いたり口に出したり、あらゆるインプットを駆使して頭にいれるべきです。

ただ、まとめノートって一回書いたら終わりですよね。

一回書いて、頭にその時は入るかもしれません。でもその一回きりで、数か月後の国試本番までキープできるはずがありません。

書いて覚えるのは捨て紙で行いましょう。

たとえば「三叉神経の走行を覚えるぞ!」と思ったら、ポイントをじっくり見ながら覚えて、それを見ない状態で白紙に書き出してみます。途中で手が止まったら、もう一度ポイントを見直して頭にいれ、また見ない状態で続きを書き出し。終わったら、書き出した紙は捨てて、また何日かあけてから白紙に書き出してみる。こういう方法なら「書いている最中、ずっと頭はフル回転」ですから、書くことが作業にはなりません。

もちろんすべての知識をここまで徹底的に覚える必要はありません。必修で出題されても当たり前くらいにメジャーなものなら手間をかけて完璧に覚えるべきですが、たまーに出るよね、できれば覚えておきたいよねってものなら目に入れるだけの暗記でもまぁまぁ対応できます。

重点的に見直したいポイントを整理するには

どうしても覚えられない。何度も見直さないと絶対に忘れちゃう。

そんなポイントを整理するのに一番おすすめなのはスマホでポイントを写真撮影し、アルバムで管理することです。

これなら書き写す作業は必要ありませんし、覚えたものは「完了」アルバムに移動したりして整理するのも簡単です。

作業にムダな時間をかけることなく、頭を使う時間を増やしていきましょう。

また、自分の文字の方が頭に入りやすいという場合には、正方形のポストイットにポイントを書き、それをルーズリーフなどに貼って、管理する方法もあります。ただし、作業量を増やしすぎないために、ここぞという時に使いましょう。ポイントのポストイットを大量に作ることはまとめノートを作ることと同じになってしまいますので、、、。

でもやっぱりまとめたい人は

実はその気持とってもよくわかります。

私もはじめて勉強することは「とりあえずまとめたい」タイプです。すみません。。。

ある分野を頭にいれる際には、構造化が必要です。大分類の中に、中分類があり、それぞれの中にさらに細かい知識があり、、、。こういった「全体的にどういう構成になっているのか」理解するために、まずは一回まとめてみるのは悪いことではありません。場合によっては、骨組みをしっかりと作ることで、その後の学習が効率的に進められるケースもあるでしょう。単なる作業で無いなら、必要以上に「まとめ」を避けなくても大丈夫です。

ただ、構造をしっかり把握してから学習を進めるにしても、作業としてのまとめを行ってから学習を進めるにしても、いずれにせよプラスアルファの時間が必要になることは覚悟しておきましょう。他の人が5時間で勉強するなら、自分はプラス2時間必要だなといった具合に、きちんと計算しておかないと、最後のツメが甘くなるだけです。

少なくとも、全科目に同じ手間をかけるのは効率的ではありませんので、それぞれの科目に対する必要性をきちんと考え、手間をかけるだけの価値があるかどうかは見極めてくださいね。