経済的援助については早めの対策を

いきなり「お金の話」で恐縮ですが、現実問題として保護者の方が受験生をサポートするのに欠かせない要素でしょう。

「お金をかけないと、国試対策ができないのか」

もちろん本人の努力でカバーできる部分はいろいろとあるでしょう。
またお金をかけた分、成績があがるかというと、そういうことでもありません。
ただ最低限必要な教材を購入したり、苦手分野克服のための講習受講など、どうしてもお金が必要な場面は出てきます。
少なくとも、大学受験の時と同程度の対策費がかかるとお考えください。

「高い学費を払ってあげてるんだから、それくらい自分で何とかしなさい」

それもごもっともです。 何から何まで親御さんが負担するのが当然と思うようなお子さんに育てたくはないという教育方針のご家庭も多いでしょう。
しかし歯学部学生は高学年になるほどにアルバイトする時間が無くなり、後輩よりも毎月使えるお金が少なくなるという傾向があります。程度にもよりますが、一般的には5年生から、少なくとも国家試験の一年前である5年生の1月からはアルバイトは避けるべきでしょう。

「援助してあげたい気持ちはあるけれど、正直家計的に苦しくて、、、」

そんなお悩みを持っていらっしゃるご家庭も少なく無いと思います。
そういった引け目のようなものがお子さんとのコミュニケーションを阻害するようなケースも今まで数多くみてきました。
お金の話は本当にむずかしいものです。
援助しすぎると本人の依存が高まり、結局「参考書や問題集は山ほどあるけれど、一冊もやりきっていない」ような状況にもなりますし、援助しなさすぎても努力のみでカバーしようとして時間ばかりがかかってしまうということになりかねません。

どういった方針を選択するのは、それぞれのご家庭のスタイルがあるでしょう。
ただできれば早い時期にご家族でしっかりと今後の経済的な援助について話し合いをもつことをおすすめします。
特に援助が難しい場合には、低学年のうちにきちんと伝えておけば、本人もきちんと自覚して計画的に貯金することも可能になります。

ぜひ正しい話し合いを

ひとつご注意いただきたいのは、せっかく場を設けるのであれば、きちんと「話し合い」とすること。
単に親御さんからの一方的な通告では意味がありません。
それぞれ、どういう希望を持っているのか。
その折り合いはどこでつけるのか。
その前提から生じる問題点は何があって、それをどう解決するのか。
そういったことをしっかりと話すことで、お子さんの中に「国家試験対策を自分自身の現実的な課題として受け止める」意識が生まれてきたら、これは相当大きな推進力になります。


さて最後にもう一つ。
受験勉強のために経済的援助をする場合は、必ず「領収書」を提出させましょう。
親御さんが一生懸命応援しているのに、なぜか飲み会の回数ばかりが増えていくという受験生も少なからずいますので。