WEB学習相談を実施する場合、初回は身分証明書のご提出をお願いしております。重要な個人情報を提出することに抵抗を感じる方も多いと思いますし、そのお気持ちはもっともです。

身分証明書をご提出いただく理由は「受験生本人の学習相談のみお受けしている」からです。

過去に一件だけですが、本人を語ってご家族が学習相談を受ける事例がございました。受験生本人からお許しをいただき、概要をお伝えします。

既卒生で何度か受験を繰り返していた方から学習相談の申込みがあり、通常通り実施しました。一般問題対策において課題があったためその点を指摘し、改善方法についてお伝えしました。ただ、学習相談の時点でこちらの質問(これまで具体的にどういった学習をしてきたのか)に対する回答があいまいで、どことなく違和感を感じていました。

数日後、その受験生から連絡が入り、話をしたところ学習相談を受けた人とは別人。学習相談を受けたのは本人の兄弟でした。事情を聞いてみると、受験を諦めさせたかったご家族が申し込みを行い、兄弟に学習相談を受けさせ、「専門家に聞いたけれど、一般問題が足りないので受からない」と言われたと本人に伝えたとのこと。それを聞いた本人が「本当に無理なんですか?」と連絡してくれたのでした。

言うまでもなく、このようなことは許されません。ご家族のためのWEB相談もお受けしていますが、これは「受験生をどのような形でサポートすべきか」アドバイスするものであり、受験生本人の学習相談とは別ものです。さらに本人を語って別の方(たとえ家族であっても)が学習相談を受けるなんてことは論外です。

ご家族にはご家族なりの思いもお悩みもあるでしょうが、受験生の人生は受験生本人のものです。それを無理やり変えるために学習相談を利用されたことに強い憤りを感じました。また稀ではありますが、このようなケースを想定していなかったことを深く反省しました。

受験生本人にはまず謝罪し、学習相談で伝えたのは「確実に合格するためには一般問題対策を強化したほうがよい」という内容だったことを説明しました。その上で、これから実施してほしい具体的な対策方法をお伝えしました。実際のところ、受験を諦めなければならないような成績では無かったので、本人が連絡してくれて本当に良かったです。その方は無事合格し、ご迷惑をおかけしたにも関わらず、合格発表の日に感謝のご連絡をいただきました。

このような事例は非常に稀であり、それを防止するために受験生の手間を増やすことには申し訳なさもあります。ただ、この仕事をしている原点は「受験生を応援すること」、そこを譲ることはできません。

ご提出いただきました個人情報は責任持ってお預かりし、適切に管理いたします。その点においては、どうぞご安心下さい。日々の勉強で忙しい中、お手数をおかけして恐縮ですが、ご理解ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。